生命保険と税務について教えてください
生命保険に加入するときに大事なことは、保険契約者・被保険者・保険金受取人を誰にするかです。この組み合わせで保険金を受け取るときの税金の種類が違い、結果的に税額も大きく変わってきます。相続税の対象となる契約は、契約者と被保険者が同一人のときです。相続税には基礎控除と呼ばれる非課税枠があり、5000万円+1000万円×相続人の数の額を控除することが可能ですが、基礎控除を超過する金額には遺産の大小や相続人の数によって10%~50%の税率がかかります。ただし、死亡保険金受取人が契約者の相続人のときには基礎控除とは別枠であり、500万円×相続人の数の金額を保険金から控除可能です(死亡保険金の非課税)。つまり、保険金以外の財産を含めて非課税枠以内なら相続税はかからないので、うまく活用できれば節税になります。
また、所得税・住民税(一時所得)の対象となる契約は、契約者と保険金受取人が同じである場合であり、(死亡保険金-累計払込保険料-特別控除50万円)×1/2が一時所得の課税対象となります。その後、他の所得と合算(総合課税)し、所得税・住民税合計で15%~50% (所得金額によります)の税率がかかってきますが、1/2が課税対象になるので最高でも25%の負担ですみます。贈与税の対象となる契約は、契約者と被保険者と死亡保険金受取人のすべてが違う人のときです。贈与税は、受取保険金額から基礎控除の110万円を差し引いた額に10%~50% (贈与金額によります)の税率がかかります。相続税や所得税と比べて税負担が非常に大きいため注意しましょう。例えば、死亡保険金3000万円、累計払込保険料950万円の場合は、相続税0円(他の財産はないと仮定)、所得税•住民税約277万円(仮の所得はないと仮定)、贈与税1220万円(他の贈与はないと仮定)となります。ご主人が保険嫌いである際にはこのような贈与税の対象になってしまう場合が多いようです(主人は保険が嫌いなので妻が夫に保険をかけ、受取人は子供にする贈与パターン)。我が家の保険証券を確認したら贈与パターンだったなんて際には、解約して新しく保険に入り直さなければならないのかという不安にかられかねませんが、契約者と受取人は加入後であっても変更可能なため安心してください。